1. 英語能力テスト

TOEFL

TOEFLとは、Test of English as a Foreign Languageの略で、米国、カナダ、オーストラリア等の学校での修学を志す、英語が母国語でない外国人対象の英語力評価テストです。特に正規TOEFLと呼ばれるものは、米国の教育団体ETS(Educational Testing Service)により開発されている権威あるテストで、多くの大学はこのTOEFLのスコアによって入学や正規科目履修の基準を定めています。

正規TOEFLについてはインターネットによる実施(internet-based Testing=iBT)ですが、大学の語学研修所によっては、取り扱いやすさから定期試験ではペーパーテスト(Institutional Testing Program=ITP)を中心に採用している大学も数多くあります。この場合、ITPには無いWritingやSpeakingについては、語学研修の授業の成績も合わせて正規授業履修の判定が下されます。

また、近年ではヨーロッパやオセアニアで盛んに採用されているIELTSや新興のテストであるDuolingo、ITEPなどが採用されている大学もありますが、全ての受入大学で通用するのはTOEFLとIELTSです。

TOEFLスコアの目安

正規科目履修の条件となるTOEFLスコアは大学ごとに基準が定められていますので、語学研修所で確認してください。
2年時終了時に転学を希望する学生は、550点(iBT 79-80)以上のスコアを取得しておくことが望ましいです。 将来大学院へ進学を希望する学生は、大学院や学部により要求基準は異なりますが、600点(iBT 100)以上のスコアを取得しておくことが望ましいです。

TOEFLスコア証明書

TOEFLスコア証明書は2年間有効となります。必要な場合は実施団体のETSのホームページからスコア送信の手続きを行います。提出先の大学にはそれぞれ4桁の数字のコード番号(institution code)が定められていますので、大学のホームページなどから確認の上、手続きを行いましょう。※各大学HPで"English Proficiency"または"institution code"などで検索すると当該ページがヒットすることが多くなります。

Institutional TOEFL (ITP)

正規TOEFLとは別に、大学の語学研修所等の各教育機関がその内部で実施し、内部での基準として利用するInstitutional TOEFL(ITP)があります。機関内部のテストといっても、ETSが作成、採点処理を行い、正規TOEFLと同基準のスコアが通知されます。NCNの受入大学にも学内のITPによって正規科目履修の可否を判定する大学があり、その場合、学内に限ればITPスコアが正規TOEFLスコアと同様に重要となります。(大学によっては、ITPが実施されず、正規TOEFL受験が義務づけられるところもあります)

TOEIC

TOEICとは、Test of English for International Communicationの略で、国際コミュニケーション手段としての英語力を測るテストとして、現在アジアやヨーロッパをはじめ世界50カ国で実施されています。日本では2,000社を超す企業がTOEICスコアを社内英語検定、海外出張、駐在、留学基準、人事異動基準等に利用しています。

就職活動の自己アピールとして

留学生は最初は米国大学で勉強する英語力を身につけるため、TOEFLスコアアップに照準を置きますが、就職活動が視野に入る2年次以降になると、TOEICスコアで自分の英語力を数値で確認していきます。高得点を取得していると、就職活動の際に自己アピールの強力な武器になるので、各自語学力の研鑽に努めましょう。留学生としては履歴書に書けるスコアの目安は850点以上とされています。 

TOEICの概要と申し込み(米国)

2. 学力水準判定テスト

SAT

SAT(Scholastic Aptitute Test)は大半のアメリカ人の高校生が大学に入学するにあたり、大学レベルの学力を身につけているかどうかを見るために実施されている全米規模の試験です。現在米国では約90%の大学で入学許可を出す基準としています。

多くの場合、留学生は受験を免除されていますが、一部上位大学や米国籍の学生、米国の高校出身の学生にはスコア提出が義務付けられる大学もあります。

大学で利用されるプレイスメントテスト

多くの大学ではTOEFL等語学力測定のための試験とは別に、正規科目登録前に数学と英語のプレイスメント・テストが実施されます。(読解や科学的思考のテストを実施しているところもあります)基準点を超えないと、卒業単位として認められない補修クラスを履修しなければならない場合もあります。

テストの種類はAccuplacerなどいくつかあります。大学のテスティングセンターのサイトや実施団体のサイトで、テストのサンプルを掲載しているところもあるので各自確認しておきましょう。

英語

TOEFLの勉強を通して英語力をしっかり固めておけば合格できます。日本人が点数をとりにくいのは英作文のセクションです。アメリカの社会問題等、日本人になじみの薄いトピックが出題されること、日本人学生が英語で論理的な文章を書くことに慣れていないこと等が原因です。新聞を読んだり、ニュース番組を見たりする等、日頃から米国社会の動きをつかんでおくと良いでしょう。また、簡潔かつ論理的な英文を書けるよう、ライティングのこつも身につけておく必要があります。

数学

数学のセクションについては、日本の高校一年生レベルまでの出題ですから、日本人留学生はほとんど一回で合格できるレベルです。ただし、英語で数学を解くには一定の慣れが必要です。米国での語学研修期間中に、基本的な数学に関する英単語を覚えたり、テストサイトで練習問題を解いて備えておきましょう。

3. 大学院進学で必要となるテスト

大学院進学の際には大学GPAやTOEFLが必要となる他、多くの場合、以下のいずれかの学力テストのスコアが要求されます。

GRE(Graduate Record Examination)

大学院進学への適性を測る一般試験(General Test)と専攻分野の基礎学力を測る学科試験(Subject Test)があり、大学院の専攻やプログラムによりその片方、または両方のスコア提出が要求されます。一般試験は、Analytical Writing、Verbal、 Quantitative の3セクションに分かれています。

GRE公式サイト

GMAT(Graduate Management Admission Test)

ビジネススクール入学の際に課されるテスト。GREと同様、3つのセクションに分かれています。

GMAT公式サイト

LSAT(Law School Admission Test)

法律家にとって不可欠な資質である、読解力、分析力、文章力、洞察力をみるテスト。Reading Comprehension、Analytical Reasoning、Logical Reasoning、 Experimental、Writing Sampleの5セクションに分かれています。政治、経済、法律、論理、哲学、物理等問題のテーマは多岐にわたります。

LSAC (Law School Admission Council) 公式サイト

MCAT(Medical College Admission Test)

メディカルスクール入学の際に課されるテスト。生物学、化学、物理学の知識そして分析力、思考力、文章力等を評価するPhysical Science、Verbal Reasoning、Writing Sample、Biological Science の4セクションに分かれています。
AAMC (Association of American Medical Colleges) 公式サイト

注意!!

  • 各テストの開催は年に数回と限られているので、各自テストの受験日を確認し、計画的に受験勉強をしてください。
  • 各テストの有効期限を確認しましょう。最新のものだけでなく、過去のテストスコアを求める大学もあります。一回、一回、入念に受験しましょう。
  • KAPLANやPrinceton Review等の私塾は、多くの受験対策プログラムを提供しています。オンラインコース、集中講座、一対一の個人指導プログラム等、個々のニーズに合わせたプログラムが準備されています。スコアアップを図りたい学生は、ぜひ確認してください。